毎日毎日智也と奈緒を目で追って…
だから気づいてしまったのかもしれない。
奈緒を見つめる智也の目に。
恋しているようには見えなかった。
時々ただ思いふけったように奈緒を見つめる。
…智也も気になるんだ。
『おまえは気にしすぎ!
事件を起こしたのは川口でオレ達じゃないんだから
水谷ばっか気にしなくていいんだから』
バイトを始めてから何度となく言われた言葉。
…自分だってそうじゃん。
優しいもんね…
奈緒を見守るように見つめる智也が
少しだけ自慢に思えた。
心から純粋にそう思えたはずだったのに…
その感情は
日に日に変化していった―――…
毎日気づくと智也の視線の先には奈緒がいて…
そんな光景を見ていくうちに
美沙の中で嫉妬が生まれていた。
智也が奈緒に恋愛感情を持っていないのは分かっていた。
それでも…
奈緒に対する嫉妬は止められなかった。
自分以外を見つめる智也を初めて見てしまったから…
今までは知らなかった。
美沙と会わない時、どう過ごしているのか。
もしかしたら自分が知らないだけで
智也は誰かと付き合ったりしていたのかもしれない。
でも知らなかったから…
だけど…
今、奈緒を見つめるように
美沙の知らないところで
誰かを愛しそうに見つめていたのかもしれない…
大切な誰かがいるのかもしれない…
そんな気持ちから湧き上がる嫉妬が
気づいたときには
すべて目の前の奈緒に向けられていた。
.



