「おかえり!!」
玄関で元気に出迎えた美沙に
智也がびっくりして声を出す。
「なんだよっ!
…まだ起きてたんか」
「まだって…まだ11時だよ?
普通に起きてるから(笑)」
智也が苦笑いしながらリビングへ移動する。
美沙もその後を追いかけて歩く。
リビングのテーブルに用意されたオムライスを見て
智也が美沙を振り返った。
「…おまえが作ったの?」
「うん。
あ、ご飯済ませてきた?」
「いや…」
珍しいものでも見るような目で
見つめてくる智也に美沙が引きつりながら笑う。
「…あたしだって料理くらい多少はできるんですけど?」
美沙の言葉に智也がふっと笑う。
「手洗ってくる」
智也は美沙の頭をポンと叩いて洗面所に向かった。
智也に触れられた頭を触りながら
智也の後姿を目で追いかける。
…これは…
想像してたより心臓に悪い…
ってゆうか
あたし今まで20人くらいの男と付き合ってきたし
キスだってそれ以上だって余裕でしてたのに…
相手が智也ってだけでなんでこんな…
落ち着かない心臓が悔しくて胸の辺りをぎゅっと握った。
「さて、美沙のオムライス食べるかな~」
上機嫌の智也に今日100均で買ってきたスプーンを渡しながら美沙が聞く。
「ねぇ、そういえばさ」
「お、うまい!
おまえ本当に料理できたんだな(笑)
すっげぇ意外」
大げさに褒めながらバカにする智也に美沙がイライラしながら言う。
「もう、ちゃんと聞いてよ!
今日、ネットカフェに来てた『水谷』って子…
あたし知ってる気がするんだけど…」
美沙の言葉に智也の手が一瞬止まる。
そしてすぐにまた食べ始めた。
「本当にうまいよ」
返事をしない智也から美沙がスプーンを取り上げた。
智也は困ったようにため息をついて…
真剣な顔をして美沙を見た。
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