「美沙?
おまえ…覗きに来たの?(笑)」
「あぁ、うん」
裏口から手招きをする智也に近寄りながら返事をした。
「あ、店長。
おはようございます」
突然後ろから聞こえた声に美沙も振りえる。
「おう、水谷」
智也に『水谷』と呼ばれたのは可愛い女の子だった。
…高校生。
あたしより少し下だな。
でも…『水谷』
なんだか聞き覚えがあるような気がする。
「美沙、また違う日に色々案内するからさ。
今日は帰ってもらってもいい?
卒業式帰りのやつらが結構来てて混んでるんだ」
顔の前で片手で「ごめん」の合図をする智也に
美沙がうなづく。
「あ、うん。
別に全然急いでないからいいよ」
それだけ言って美沙は『水谷』という女子高生の背中を見つめた。
…会ったことないのに…
なんか知ってる気がする…。
変なの。
少し気になりながらも美沙はお店を後にして歩き出した。
輝いていた太陽が
オレンジ色に変わり始めていた。
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