それからの美沙の高校生活は孤独なものだった。
あの事件以来女子は寄り付かなくなった。
元々は明るくて真面目だった美沙も
独りには慣れていたから今更なんとも思わなかった。
一人でお昼を食べていると日替わりで男子が近寄ってくる。
そんな男子と適当に会話をしながら残りの二年間を過ごした。
美沙の心の中には…
智也と…
事件の被害者がいた。
同情というよりは
『同類』の被害者を勝手に仲間だと思っていた。
独りになってしまったその子に自分を重ねて…
『あたしだけじゃない』そんな事を思った。
ただ単に…
自分より可哀相な被害者に安心したかっただけかもしれない。
あたしは…
最低な人間だ。
日ごとにそう思うようになった。
最初はただその子が可哀相で…
ただそれだけだったのに。
だからあたしなんかが落ち込んでちゃだめなんだ。
そう思ったのに…
いつの間にか
『あの子よりはマシ』
そんな事を思う自分に気が付いた。
人を敬う事も認めることもできなくて
そのくせ蔑んで妬んで…
なんでこうなんだろう…
バカが付くほど真面目だったのに…
人を見下すような事したことなかったのに…
家庭環境とかいじめとか
そんなの関係ない。
あたしがしっかり自分を持ってればこんな風にはならなかった。
あたしは逃げたんだ。
周り全てを言い訳にして
本当の自分から逃げたんだ…
そんな自己嫌悪に陥りながら卒業を目前にしたとき
家に帰ると智也が待っていた。
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