「オレも関っていうんだけど。
すっげぇ偶然(笑)」
武史の言葉に場の空気が少し緩む。
「ま、珍しい名字じゃないしね。
でもこれも何かの縁だし仲良くやろうよ」
武史の発言に一瞬躊躇した真也が鼻で笑う。
「おまえなんか呼んでねぇし(笑)
水谷さん、行こっか」
真也が奈緒の肩を無理矢理抱いた。
「やめてってばっ…」
奈緒が声をあげた次の瞬間
武史が真也を突き飛ばした。
「嫌がってんじゃん。
諦めなよ」
にっこり笑って言う武史を真也が睨みつける。
「だからその女の意志なんか関係ねぇんだよ。
おまえ殴られたいわけ?」
今にも殴りかかってきそうな真也に梓も奈緒もドキドキしていた。
嫌な空気が場を包む。
「う〜ん…逆?
殴りたい感じっ」
そう言い切ると同時に
武史の拳が真也の頬を殴りつけた。
その一発を合図に
武史と真也の殴り合いが始まる。
お互い何回も取っ組み合った後
武史が真也に馬乗りになる。
「関先輩っ…やめて!」
いつもと違う武史に恐くなった梓が止める。
しかし武史の耳には梓の言葉など耳に入っていないようだった。
「関先輩っ!先輩!」
必死で止める梓も次第に声が大きくなる。
「先輩っ…武ちゃんっ!!」
『武ちゃん』
梓の言葉を聞いた瞬間
武史が握っていた拳を下ろした。
「…武史もケンカなんかできんだな(笑)」
ゆっくり歩み寄る足音に武史が目を向けると
足元に真也の友達を転がした亮がニヤリと笑いながら立っていた。
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