「誰?」
奈緒の後ろで武史が梓に聞いた。
梓が少し躊躇しながら答える。
「…元彼」
それを聞いて武史が黙った。
「あれ?
つぅか梓じゃん?
おまえ水谷さんと一緒の高校だったんだ(笑)」
バカにしたような真也の言葉に梓は答えられなかった。
1年前
気持ちを粉々にされた記憶が
梓を動けなくさせていた。
「そんな事どうでもいいけど。
ね、水谷さん、
オレ達と遊んでよ」
真也が奈緒に笑いかける。
「…悪いけどあんたみたいな人タイプじゃないから」
奈緒がいつもとは違う強い口調で言うと
外野から歓声が上がる。
「タイプじゃないって(笑)
残〜念。
でも奈緒ちゃんの意見なんか関係ないし(笑)」
「そ(笑)
ついてきてくんないと学校中にバラしちゃうよ?
事件の事」
男たちの言葉に奈緒は動じずにいたが
真也の言葉に初めて動揺を見せた。
「関、やめろよ(笑)
可哀想だろ〜?
もっと穏便にいこうぜ。
例えば…
ついてこないと
犯人の川口脱獄させちゃうよ?
とか(笑)」
強気でいた奈緒が少し震えているのが梓にはわかった。
そんな奈緒を見て梓が必死の思いで口を開いた時、
隣の武史が先に話し出した。
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