「でも…今は信じてる。
誰より頼りにしてる。


信頼なんて相手の事をよく知ってから出来るものじゃない?

最初から信じるのなんて誰だって恐いよ。

関先輩がいい人だって思えたら信じてあげればいいんだよ」



優しく話す奈緒に梓は心が洗い流されるようだった。


奈緒の言葉は一つ一つが信じられて

梓の心にすーっとしみこんでいく。






『まだ信じられないのも当たり前』


そんなのは自分にだけ都合のいい言い訳だと思ってたけど…



『誰だって恐いよ』


奈緒もきっと恐かったんだね…


まだダメでも…

そのうちにきっと心から信頼できる。



あたしはあたしのペースで
関先輩と信頼できる関係を作ればいいんだ…



梓は奈緒に微笑んで…


そして少し意地悪な顔をして言った。


「ところで昨日
奈緒達はあれからどうしたの〜?

…首にキスマークあるけど?」


「え?!

うそっ、昨日ちゃんとお風呂で確認したのにっ」


「うそ(笑)」



慌てる奈緒に梓がニヤリと笑って言った。




きっと近いうちに信じられるようになる。



そしたら…



武史の笑顔を浮かべ、梓は少し赤くなった。

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