「だから…
同時進行男とか…悪口言った事…」
奈緒の言葉に亮が思い出したように返事をする。
「あぁ…
…そういえばそんな事言ってたよな」
「そういえばって…
あたしそれを謝るために来たのに…」
膨れる奈緒に亮が表情を緩ませる。
「さっきおまえが言った事がうれしくて忘れてたんだよ(笑)」
見上げると
亮の優しい笑顔が自分を見つめていて…
奈緒が顔を赤くしてもう一度亮の胸にしがみついた。
「…おまえからあんな事言われるなら
たまに他の女といるとこ見せた方がいいのかもな(笑)」
亮の言葉に奈緒がキッと亮を見上げる。
その視線の先には意地悪な顔をする亮の姿があって…
奈緒が口を尖らせた。
「…雪乃さんとか?」
膨れながら奈緒が言った名前に…
亮がさっきまでの表情とは一転して気まずそうに目を逸らす。
「…ちげぇよ」
「『初めての女』って言ってた…」
責めるような目で亮を見上げる奈緒に亮が一瞬だけ視線を移して…
小さくため息をつく。
「…おまえと逢う前の話なんだからしょうがねぇだろ」
呆れたように言う亮に奈緒の涙腺がまた緩んで…
泣き出した奈緒を
亮が驚いた表情で見つめた。
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