あたしが…
亮の傍にいるのは…
「亮が…好きなの」
奈緒の言葉が力なく屋上に響く。
奈緒の目の浮かんでいた涙が溢れ出して…
屋上のコンクリートの上に落ちる。
亮のためとか
償いとか…
そんなのは関係なくて…
ただ、離れたくない…
あたしが
亮と一緒にいたいから
傍にいたいから…
ただそれだけ…
「いっぱい迷惑かけてばっかだけど…
退学もあたしのせいだけど…
あたしと関わらなければ
亮はもっと幸せだったけど…
でも…
それでも亮が好きで…
わがままだけど、離れたくないっ…」
なんで泣いているのか…
自分でもよくわからなかった。
ずっと感じてた罪悪感のせいなのか
今日会った雪乃のせいなのか
それとも子供みたいなわがままを言う自分に呆れたのか…
だけど、
1度溢れ出た涙はなかなか止まらなくて…
奈緒が両手で顔を覆って俯いた瞬間―――…
亮の匂いに包まれた。
いつの間にか近くにいた亮が奈緒を抱きしめていた。
背の高い亮の体に
奈緒の体がすっぽりと収まって…
亮の肩越しに
キレイな青空が見える。
「…今度こいつの事悪く言ったら許さねぇからな」
亮の胸から亮の声が響いて…
その心地よさに
奈緒が目を閉じる。
「…つぅか、いつまで見てんだよ」
少し怒ったように亮が言うと
女子生徒がパタパタと屋上を後にする足音が聞こえた。



