ショックを受けながらも

『誰?』と聞いた梓に

真也は笑いながら

『彼女』と答えた。



別れの言葉もなく…


2人の関係は終わった。


それでもカプセルをくれた優しさは信じてたのに…


しばらくした頃噂が流れた。


真也が付き合っていたのは梓の他に2人いて…


それを聞いた梓が真也に真実を聞こうとしたら


悪びれもせずに

『おまえがオレの事好きっぽかったからさ(笑)

おまえなんか3番目だったけど(笑)

好きでもなんでもなかったし』


言葉も出なくなった梓に


『つぅか、普通気づくだろ(笑)』

と笑った。




あとで知ったのは…


あのカプセルは真也がガチャガチャを壊して中身を奪い

みんなに『秘密なっ』と配っていたという事。



真也は…


梓の思っていたような男じゃなかった。




冷たく光るストラップは
冷めていった梓の気持ちのようだった。



「ばっかみたい…」


もう一度独り言を言って
カプセルを引き出しにほおりこんだ。




…もう裏切られたくない。


今度裏切られたら…



あたしはもう笑えない…




今だって

必死で笑ってるのに…




思い出してしまう真也の笑顔がムカついて

梓は机の引き出しを思い切りしめた。



中のカプセルがぶつかって

カチっと音をたてた。



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