「さ、早く行こうぜ」
「・・・うん」
郁人が手を出してきた。一瞬掴もうか悩んだが、郁人の手は掴まず自力で立った。
「沙夜?」
「行くよ。郁人」
私は郁人の顔を見ないで、出入口の方へと歩く。郁人は黙って付いてきた。
郁人に甘えちゃダメだ。
私は私の意見を持ってる。
辛い道のりを歩む事になるだろうけど、私は私の意見を伝えよう。
怖いけれど、私は押し潰されるのは御免だ。
「郁人!!」
校舎に入る前に後ろを振り返る。郁人を見つめた。私はちゃんと笑えているかな?
郁人の手を掴んで、私は走りだした。
「沙夜!?」
「早くしないと、始業チャイム鳴っちゃうよ。ナルちゃん先生の授業遅れたら、郁人ヤバくない?」
始業チャイムはあと5分で鳴る。
『ナルちゃん先生』とは、陸上部顧問を担当する大井鳴海先生の事だ。
この学校の中で、先生方からも生徒からも厚い信頼があるイケメン先生。郁人の才能を見出だした先生だ。
「ゲッ!!ナル先生の授業かよ!?走るぞ!!」
郁人はスピードをあげて走る。私が郁人を引いていたのに、郁人が私を引いて走る形に変わった。
「郁人ッ!!は、早い!!」
「沙夜後少しだから頑張れ!!」
私はもう息切れをしているというのに、郁人はまだ息切れもしていないし、呼吸も乱れていない。
本気を出して走っていないようだ。流石陸上部エース。わずか3分で教室に着く事が出来た。
「・・・うん」
郁人が手を出してきた。一瞬掴もうか悩んだが、郁人の手は掴まず自力で立った。
「沙夜?」
「行くよ。郁人」
私は郁人の顔を見ないで、出入口の方へと歩く。郁人は黙って付いてきた。
郁人に甘えちゃダメだ。
私は私の意見を持ってる。
辛い道のりを歩む事になるだろうけど、私は私の意見を伝えよう。
怖いけれど、私は押し潰されるのは御免だ。
「郁人!!」
校舎に入る前に後ろを振り返る。郁人を見つめた。私はちゃんと笑えているかな?
郁人の手を掴んで、私は走りだした。
「沙夜!?」
「早くしないと、始業チャイム鳴っちゃうよ。ナルちゃん先生の授業遅れたら、郁人ヤバくない?」
始業チャイムはあと5分で鳴る。
『ナルちゃん先生』とは、陸上部顧問を担当する大井鳴海先生の事だ。
この学校の中で、先生方からも生徒からも厚い信頼があるイケメン先生。郁人の才能を見出だした先生だ。
「ゲッ!!ナル先生の授業かよ!?走るぞ!!」
郁人はスピードをあげて走る。私が郁人を引いていたのに、郁人が私を引いて走る形に変わった。
「郁人ッ!!は、早い!!」
「沙夜後少しだから頑張れ!!」
私はもう息切れをしているというのに、郁人はまだ息切れもしていないし、呼吸も乱れていない。
本気を出して走っていないようだ。流石陸上部エース。わずか3分で教室に着く事が出来た。