抵抗される、と思った。
後からだけど。
下手すりゃ殴られるって思ったし、ていうかボコボコになってもおかしくなかった。
それなのに…
「…不本意だけど…あ、ありがとう。
一人じゃ…多分パニックだったから…。」
『ありがとう』
こんなクリアな響きを、俺は知らない。
暗闇にケータイの灯り。
呼吸の音と、心臓の音だけしか聞こえない空間。
彼女の呼吸の音が、いつしか寝息に変わっていた。
ちょっとだけ灯りを彼女の顔に近付ける。
あどけない寝顔に、思わず笑みが零れる。
「…気を許さないなら最後までそうしてくれないとねー…
俺も聖人なんかじゃないって、君も知ってるでしょ?」
でもなぜなのだろう。
簡単に手にしてしまえる距離にいて、彼女はこんなに無防備なのに。
それでも、彼女に触れるこの手が震える。
後からだけど。
下手すりゃ殴られるって思ったし、ていうかボコボコになってもおかしくなかった。
それなのに…
「…不本意だけど…あ、ありがとう。
一人じゃ…多分パニックだったから…。」
『ありがとう』
こんなクリアな響きを、俺は知らない。
暗闇にケータイの灯り。
呼吸の音と、心臓の音だけしか聞こえない空間。
彼女の呼吸の音が、いつしか寝息に変わっていた。
ちょっとだけ灯りを彼女の顔に近付ける。
あどけない寝顔に、思わず笑みが零れる。
「…気を許さないなら最後までそうしてくれないとねー…
俺も聖人なんかじゃないって、君も知ってるでしょ?」
でもなぜなのだろう。
簡単に手にしてしまえる距離にいて、彼女はこんなに無防備なのに。
それでも、彼女に触れるこの手が震える。



