「なんでそこまで彼女に固執する?
怪我はもう治ってんだろ?」

「どうかな。
まぁ一応治ってる部分もある。」

「彼女の家族とかはどうなってるわけ?」

「さぁな。」

「連絡先は?」

「知らない。」

「お前さぁ…どうかしてる。
彼女と出会った日に彼女は熱を出していた、だからその日は泊めた。
までは良しとしよう。
だけどな、それ以降、彼女を置いておく理由がないよ。」

「そうだな。お前の言うとおりだ。」

「じゃあ、なんで置いておくんだよ?」

「彼女にはきっと、帰る場所がない。」

「え…?」



あたしの読みは当たってた。

やっぱり先生は分かってた。

あたしに戻るべき場所はないんだってこと。