傷だらけの僕等

「そして…
先生に出会ったの。」

そう真っすぐ俺の瞳を見つめる彼女が目の前にいた。

俺も彼女の瞳を真っすぐ見つめ返す。


「先生はわけが分からなかったよ。
それは今もだけど。
理由なくあたしを家に置いたり、あたしになにも求めず、優しさだけを注いでくれた。
凍っていたあたしの心が溶けていくみたいな…そんな感じがしたよ。

先生みたいな人間に出会ったの、初めてだった。

だから…ありがとう。

あたし、先生に何も返せそうにないから、これ以上迷惑かける前にいなく…。」


俺は彼女を引き寄せた。
そして少し強く抱きしめた。

もう充分だった。

本当にもう…

充分だった。何もかも。