「とにかく部屋入れ。」


俺は彼女を腕から解放して、その手を引いて部屋へ向かった。

彼女をソファーに座らせる。

その隣に俺も座る。


「聞きたいことって何?」

「何聞いても答えんのか?」

「話すよ。
何が聞きたいの?」

「全部。」

「全部?どういう意味?」

「思ってること、全部。」

「思ってること?あたしの?」

「ああ。それと…。」



聞いていいものなのかは分からない。

だけど知りたいと思ったことはもう一つ。


「お前の過去。
その傷の理由が知りたい。」

一番、彼女の核心に触れるであろうこと…

その「傷」の理由を、知りたかった。