若い男は、3人しかいない部屋にもかかわらず声をひそめて、 「中西信行って男です」 と意味ありげな口調で言った。 「誰?」 千晶が急かすように問いかける。 「いや、これがね、昨日万引きでしょっぴかれた省吾ってヤツからの情報なんすけど…」 「そんなこといいから、誰なのよ」 「お前たち、まだ万引きなんてやってるのか」 崇文が呆れ顔で腕を組んだ。 「いやまぁ、でももうやめるつもりなんすよ、マジで」 若い男が、へへ、と笑う。 「俺らもいい歳っすからね。省吾も懲りたっつってましたし」