怖い女達

『いさむ、早くカキコ』

『家に帰るまでの間は、メールして』

『ほら、早く歩かないと、電車に乗り遅れるよ』

 なっ、ナナコだ!

 どうして俺の携帯アドレスを知ってるんだ。それに仕事が終わったことや、電車に乗るところだということも、どうして知っているんだ。

 俺は駅のホームで、キョロキョロと辺りを見回した。しかし混雑しているため、誰もが怪しく思え、俺は血の気がひいた。
 とにかく家に帰ろう。

 次の電車はすぐに入ってきたので、俺は急いで乗り込むと、一時間電車に揺られた。

 自宅に着き、ポストを開けると、白い封筒が大量に溢れた。

「う、うわっ」何だ、これは。

 一通拾い、封筒を見ると、いさむへと書いてあり、裏を返すとナナコよりと書いてあった。

 ナナコは俺の家を調べ、そして、わざわざ大量の手紙をポストに詰め込んだのか。
 何故なら、封筒は郵便局の消印もなく、切手も貼られていないのだから。

 気持ち悪い。

 俺は、大量の封筒を急いで拾い集めると、自宅に入った。
 心臓の鼓動が、凄い速さで音を立てている。

 玄関先に置いてあるゴミ箱に、大量の封筒を捨てると、俺は足早にパソコンの前に向かった。

 恐る恐る、電源を入れ掲示板の書き込みを見ると、そこには何十件もナナコからの書き込みがあった。

『いさ〜早くカキコ』

『いさむ、仕事頑張ってたね』

『いさむの会社、若い女もいるんだね。特に、香苗って女。ナナコは嫉妬したよ』