そんなものの筈なのに、なぜか眠くない。

唐揚げもプリンもお風呂も済ませた。

後は寝るだけ。

なのに、ちっとも眠くない。

相変わらず彦星からのメールもない。

あと30分で誕生日も終わる。

今日になった瞬間に届いたメール。


『おめでとう!彦星に逢えますように』


恭代からのメール。


シンプルなたった二行のメール。

それでも嬉しい。

彦星には逢えないかもしれないけど、大切な日を覚えていてくれる人がいるだけで。


あと10分。


「おめでとう。茉莉。24歳もよろしく。」


鏡に映る自分にお祝いを。


「今度こそ寝よ。」


ベッドに潜り込み、無理矢理目を閉じた。