「誰だ!」


少し遠くから声が聞こえた。


土方さんは草の影から堂々と姿を現した。


「新選組副長、土方歳三だ。」

「同じく、辻村遥です。」


目の前に立っていたの人は目を丸くする。



「ひ、土方さん?土方さんなんですか!?」

「・・・あぁ。」

「よかった。あぁ、よかった。」


目の前の人は声を上げて泣いた。


その声を聞きつけて更に多くの人々が集まる。



「土方さんだ!」


誰もがそう叫んだ。

安堵の涙を流す者や、歓喜の雄叫びを上げる者。




だけど、その中で1人だけ浮かない顔をしていた人がいた。