春の風がとても冷たかった。 来年は、この風を感じることはない。 だって、あたしはその時、いないんだもんね。 けど、不思議と怖くなかったんだ。 いつの間にか涙は止まっていて、濡れた頬は乾いていた。 帰り道、あたしは今までずっと黒かった髪を金色に染めたのだった。