紫陽花なアイツ


紅い夕日がとても綺麗で眩しい。

目を細めそうになった時葉介は走りだす。

そして、強く地面を蹴った。

まるで、巣から飛び立つ雛鳥のように。

ガッと蹴った地面から体は離れて、今度はふわりと宙を浮く。

軽々と高跳びの棒を飛び越えた。

あたしは一部始終を見て息をするのを忘れた。








「…何やってる?」

靴箱で待っていると、後ろから声をかけられた。

聞き慣れた声を間違えるはずがなく、あたしは後ろを向かずに答える。

「葉介待ってた。」