息をつく間もなく、不動の術を掛ける。


「縛縛縛、不動縛!」



あたしの清らかな霊力がマリナの四肢を拘束した。



霊力の鎖を解こうと、マリナがもがく。



「汚れた魂を浄化し、天珠を我の元へ」


数珠を絡めた手で刀印を組み、あたしは持てる霊力のすべてを集約させた。




「微塵となりて果てよ退散せよ、急々如律令――――――!」



放たれた全霊が、マリナの体を木っ端みじんに打ち砕く。


「オン、アジャラセンダ、ソワタヤウン……!」



マリナの額に放った符が、業火で心臓以外を焼き尽くし――……



「ぎゃああああああ―――!」



マリナの断末魔がスタジオを揺るがし、そのまま業火とともに掻き消える。





マリナがいた場所には


心臓が形を変えた透明な天珠が転がっていた。