全ての破片が、地面に落ちた…。




「杏樹っ…怪我してないっ?」


及川さんに抱き抱えられたあたしは、「大丈夫です」と答えた。



はっ!!柚莉…!



及川さんの腕の中から、目だけで柚莉を探す。




「松沢さんっ大丈夫!?」


スタッフさんが駆け寄るが、怪我はないらしく…


ほっとした。





が……………


スタッフさんの声で、あたしの心臓は止まりそうになった。




「たっ…滝本君!大丈夫!?」



えっ……………?




首を後ろに向けて、いるはずの陸を見た。





「……………っ!?」




体が固くなる。


人間…本当に驚いた時は、声が出なくなる。



目の前の光景が信じられない……
















陸の腕に、赤い血が流れていた。