―――――酷いじゃないか、俺を差し置いて彼女を作るなんて。


自分はオレに一言も言わずに彼女作っといて、なんだよそれ。

なんで自分は良くて、オレは駄目なんだよ。




―――――彼女ができたら、アサヒは俺の相手してくれなくなっちゃうだろ。

―――――アサヒがいないと俺、寂しくて死んじゃうかも。


オレなんかが相手しなくたって、兄さんにはあんなに美人な彼女がいるんじゃないか。

なんでそこまでして、オレに構おうとするんだよ!




―――――彼女いないんだなーと思ってさ。

『そーゆう兄さんはどうなんだよ?』

『ん?何がだ?』


あの時だってきっと、オレが何を聞いてるのかわかってたんだ。

わかってるけど、惚けてただけだったんだ。




大体、毎日外食なんて無理に決まってんだろ。

せっかく一ヶ月も休みがあるなら、デートでも何でもすりゃあ良いじゃないか。

なんで、あんなこと言い出したんだよ。

なんで、あんなに嬉しそうだったんだよ。






なんだよ。

なんだよ、バカにしやがって。

喜んだ自分がバカみたいだ。


明日、楽しみにしてたのに。

兄さんと出掛けるの久しぶりだから、すごく楽しみだったのに。




…ンだよ……クソっ……。




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