「怖い?何が?」 少女は俺の隣に座ると頭一つ分くらい上の位置にある俺の顔を見上げ首を傾けた。 「………俺が」 「お兄さんが?どうして?」 「………」 なんと言えばいいのか、わからない。 ヤクザが怖くないのか。 血が怖くないのか。 鬼のような顔の俺が怖くないのか。 どれを言えばいいのか、こんな反応は初めてなので戸惑う。 「………怖く、ないよ?」 「っ」 ハッと少女を見下ろすと少女は穏やかに微笑んでいた。 「私は、お兄さん、怖くない」 まるで、小さな子供に言い聞かせるような、口調。