愛の楔




「どういう意味だ?」

「いいえ………着きましたよ」


炯は首を振ると、先に歩を進め、閉まっている襖に近づき、襖と平行になるように片膝をついた。


俺は、それに垂直になるように立った。


「組長、入ります」


スッと襖が開かれる。
部屋の中央、座敷に用意された長い布。そこに、指三つ揃えて白無垢姿で頭を下げている女がいた。
頭を下げているからどんな容姿かは分からない。


………婚姻式に白無垢?何故だ?


不思議に思いながら女の向かい側に腰を下ろした。
俺達と垂直になるように座っていた親父が軽く咳払いをした。


「主役も揃った……始めるか」


その顔は至極愉快そうだ。


「さぁ、顔を上げて」


白無垢姿の女が顔をあげる。


「――――!?」


俺は、息を呑んだ。