「まずは、現組長の離任式。それから若の就任式、婚姻式となってます」
「………あぁ」
「相手の方とは婚姻式で顔合わせです」
すらすらと予定を言っていく炯の声を聞きながら、しかしそれらは半分も頭に入ってこなかった。
「準備が出来たらすぐに移動をお願いします」
「………分かった」
小さく頷くと、炯は他の人に呼ばれ部屋を出ていった。
今日から変われるだろうか。
離任式、就任式のどちらも滞りなく進んだ。出席しているのは来栖組の幹部以上と仲間の組長など。顔合わせもかねているからな。
それから、身内だけでの婚姻式が始まろうとしていた。
着物も着替え、さっきの着物より上質に思えるのは気のせいか。
呉服店の主人はとても満足そうだった。


