愛の楔




すると、澪はあぁ、と声を出す。


「姫サンにはもう会ったから」

「………会ったのか」

「うん。あの子なら若の隣に居ても大丈夫」

「………そうか」


なるほど、先に会ったならこの態度は頷ける。
澪までが認めた女………か。
なら心配ないだろう。


あぁ、そう言えばせめてどこの組の娘か聞いておくべきだったな。
ヤクザの嫁にはヤクザの娘。そう相場は決まっていた。


「澪」

「何、若?」

「どこの組の娘だった?」

「?聞いてないの?」


意外と澪は首を傾ける。


「あぁ、忘れていた」

「珍し………んーでも明後日なんだしせっかくだから楽しみにしとけばいいよ」

「?意味が分からん」


何故楽しみにしとかなきゃいけないんだ。


しかし、澪はそれ以降何を質問しても明後日の事は笑ってはぐらかすばかりだった。