ざわざわと風で木が音楽を奏でる。


「可笑しいと思わなかった?最近の事件」

「………全部貴様か」

「ご名答ー厳密に言えばこの子」


トンッと奴が美空の肩に手を置く。
その行動に俺は、今すぐにでも奴を殺してしまいたい衝動に駆られる。
美空に、触るな。


「この子はね、優秀なんだよ」


大事に育てたから当たり前なんだけどさ。自慢気に奴は言う。


「だから、痕跡すら残さず、情報を盗んだり改竄するなんて朝飯前なのさ」

「………ホステスと麻薬密売人を殺したのはお前らか」

「彼らはちょーと嵌まり過ぎた」


薬と言うものにね。
本当は、少しの遊び程度だったんだよ。来栖の島で騒ぎを起こしたかった。


「でも邪魔になったからさ」


殺しちゃった