ずっと大好き…この恋は秘密 …



「みのり」


教習所のロビーで待っていたみのりに仕事を終えた浅井が声をかけた。


『みのり』

教習所の中で
そう呼ばれた事にみのりが驚いていると
浅井が微笑んだ。


「沙紀、離婚届出してくれたって」


「え?」


浅井がみのりに自分のケータイを見せた。




from.沙紀
sub.
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今離婚届受理されました。

荷物はほとんどないから取りには行きません。


今まで本当にごめんなさい。佐倉さんにもそう伝えて下さい。


でも遼太に出逢えてよかったです。

ありがとう…

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最後の言葉が
『ありがとう』である事に少しほっとした。



「つぅわけだから。

行くか」


浅井がケータイをパチンと閉めると
みのりの手を握って歩き出した。


「行くって…

どこに?」


みのりの手を引いて歩く浅井に聞くと

浅井がニヤリと笑う。


「つけば分かるよ」



意地悪に言う浅井に膨れながら助手席に乗り込むと

一台だけ寂しそうに置き残されてる自分の自転車が目に入った。


「仕事帰りに悟に取りに来させればいいだろ」


「そんな事言って…

また怒られるよ?」


「大丈夫大丈夫」といい加減に返事をしながら
浅井が車を走らせる。



もうすっかり暗くなった空にはたくさんの星がでていた。



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