つぅか…

オレ絶対やばい…



ストーカーみたいじゃん…




本屋についてからハンドルに顔をうずめる。



でも心配で…


家にいても落ち着かない。

電話もメールも…

なんの慰めにもならない。



みのりの顔見て話さないと…

安心できない。




…でも

内心『うざい』とか思われてたら…





大きなため息が車内を包む。




女子高生じゃねぇんだから(笑)



完全に『恋する乙女』状態の自分に嫌になって

むしゃくしゃしながらエンジンを切った。



ドアを開けると冷たい空気が一気に車内に流れ込んできて浅井の体温を奪っていく。


熱くなりすぎた気分を冷ますために

外に出てタバコをふかす。





みのりのバイトが終わるまで
後10分か…



時計を確認してから2本目のタバコに火をつけた時

従業員用通路から誰かが出てきた。



みのりかと思いながらぼーっと見つめていた浅井と…

通路から出てきた圭司の目が合った。



なんとなく目を逸らした浅井とは対照的に

パーカーを羽織った圭司がどんどん近づいてくる。


近くまで来て立ち止まった圭司を
浅井がタバコをくわえたまま迷惑そうに見た。



「…なんか用?」


「あぁ、まぁな」


負けじと偉そうに答える圭司に小さなため息をつく。


浅井のため息が白い煙と一緒に冷え切った空気中に消えていく。



「最近の若いやつは敬語とか使わねぇの?」


いつかの清水を思い出しながら浅井が苦笑いしながら言う。


「教官ぶるんじゃねぇよ。


あんたに話したい事があってさ…

ちょうどよかった」



「いいけど…

みのりが来るまでに終わらせろよ」




その言葉に圭司が浅井を見据えた。



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