会いに行くかな…




悟から沙紀の話を聞いてから
不安が隠せなかった。


沙紀がみのりに何かしてきそうで…





でも…


オレの様子がおかしければ
みのりは多分何か感づくだろうし…


オレの事よく見てくれてるから…



絶対何かしら感じるよな…

…オレには言わないだろうけど。



みのりは…

まだオレに遠慮してる部分があるから。



それは

オレがまた『サヨナラ』を切り出すかもっていう不安からなんだろうけど…



嫌われたらなんて
バカな事考えてるんだろうけど…


オレを困らせるような事は言わないし聞かない。


沙紀の事も離婚の事も何も…



オレに心配させないように

きっとまた1人で苦しんでる。








浅井は顔をしかめてソファに座り直す。



沙紀が別れてくれなきゃ変えられない。


勝手でも何でもいい。


卑怯でも最低な男でも…

みのりを守るためなら何にでもなってやるよ。




ケータイを開くとデジタル時計が21時6分を示していた。


…バイト終わったな。

20時40分までだっつってたしもう家着いたかな…


みのりのバイトのシフトまで完全に把握している自分がなんだか自分らしくなくておかしくて…

苦笑いしながらみのりに電話をかけた。



数回呼び出してからみのりの声が聞こえた。



『もしもし』


感じていた不安がみのりの声を聞くと不思議と飛んでいく。


「オレ。

…今日何もなかった?」



思わず出てしまった言葉に浅井の目が泳ぐ。




心配なんかしたら気づかれる。

そう思って…



『…え、別に何も?

ってゆうか浅井さん本当に心配性(笑)』



返ってきた言葉に安心しながら複雑な気分になった。



みのりに関しては完全に過保護になっている自分がやけに情けなく思えて曖昧に笑った。





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