「エッチな事考えてたんだろ(笑)」


浅井の言葉にみのりが勢いよく首を振る。


「違いますっ!」


言葉とは裏腹にどんどん赤くなる顔に浅井が笑う。


浅井のイジワルな顔を少し怒ったように見つめていたみのりだったが

急にキョトンとした表情に変わった。




「なんだよ」



「浅井さんも顔が赤い…


…熱

…ありません?」


みのりの言葉に浅井が顔を背ける。


「…ねぇよ」


「うそっ」


浅井の前に回り込んでみのりが浅井のおでこに手をあてた。


「……」


黙り込んで
浅井を怒った表情で見上げるみのりを浅井が笑う。


「微熱だろ?」


「…じゃあちゃんと計ってみて下さい」



諦めたように浅井が体温計を引き出しから取り出す。


心配そうに自分の後ろをついてくるみのりに顔を緩めながら
浅井が熱を計る。



ピピピ…ピピピ…


「何度?!」


体温計が鳴ったのを聞いてすぐにみのりが浅井に聞く。


「7度6分…

微熱だな」


イスに座り直す浅井の腕をみのりが掴んだ。


「なんだよ」


「ちゃんと寝てて下さい。


…さっきYシャツなんかで外にいたから冷えたんですよ。

暖かくしてないと…」


心配そうに見つめるみのりに何も言えなくて…

言われる通りに浅井が寝室に行く。



初めて入る寝室に
不謹慎にもドキドキしながらみのりは浅井の後に続く。




横にならずにベッドに座る浅井がみのりを手招きした。


近づいたみのりの両手を握りながら浅井がみのりを見上げた。



「…佐倉


オレの事好き?」



予想もしてなかった浅井の言葉に

みのりは目を丸くした。





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