空を見上げるとたくさんの星が出ていた。
きれいなはずの星空が…
涙でぼやけてよく見えない。
風が冷たくて顔が痛い。
気合い入れて履いた短めのスカートから覗いてる足が寒い。
心が…寒い。
教習所を出て少し歩いたところに圭司の車が止まっていた。
1人でいたい気分だったが
無視するわけにもいかず…
みのりはゆっくりと車に近づいた。
みのりに気づいた圭司が運転席から出てくる。
みのりの顔を見て何も言わずに助手席のドアを開けた。
車の中の暖かい空気が流れてくる。
ここに座れば…
暖かくなるのかな…
体だけじゃなくて心もあったかくなる?
またドキドキするようになる?
『好き』って気持ちが溢れてくる?
凍った心を
溶かしてくれる…?
圭司くんの隣は
すごく魅力的だけど…
あたしが欲しい場所じゃない。
だけど…
振られたんだよ?
もう振られたんだよ…
優しい圭司くんに頼るのは間違ってる。
だけど…
もう1人はやだ…
傷つくことに…
頑張ることに…
疲れた…
もう
つらいのはいや―――…
みのりは圭司の車の助手席に乗り込んだ。
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