里奈に全部話した。
うまくなんて話せなかった。
途中から涙が流れて…
まるで子供みたいにまとまりのない話を里奈が黙って聞いてくれた。
それがうれしかった。
何度も
何度も
かすれた声で同じ言葉を繰り返す。
「浅井さんが好きなのに…」
あたしの中にそれ以外の感情がないように
その言葉ばかりを繰り返した。
何度も言うあたしを
里奈は優しく微笑みながら見ていてくれた。
全部…
全部吐き出しても浅井さんへの想いがどんどん溢れてくる…
「忘れ…るなん…て…
できないよ…」
泣き声で言葉が途絶えてしまう。
そんな聞きにくい言葉も里奈が聞いてくれた。
ずっと1人で泣いてたのに…
今日は違う。
里奈が一緒にいてくれる。
それだけで何かが違った。
流れる涙が暖かかった。
『オレが知らないとこで泣いててるんじゃないかって心配だったから』
いつか浅井さんが言った言葉。
浅井さんはあたしが泣いてても
もう心配してくれない。
どんなに泣いても抱きしめてはくれない。
会うことすら出来ない。
それを分かった上だったら
好きでいてもいい…？
何も期待しないから
好きでいてもいいですか…？
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