ずっと大好き…この恋は秘密 …




いつの間にか浅井とサヨナラしてから2週間が経った事に気づいた。



最初の1週間はぼんやりとしか覚えてない。





…ずっと泣いてた気がする。


2週間目は…


圭司くんを傷つけた。


あれからバイト休みだったから会ってない。



会ったら謝らなくちゃ…




「みのり」


みのりが暗くなった顔をあげると里奈が立っていた。


「なに?」


「ちょっといい?」


少しだけ笑いながら言う里奈に頷いて
みのりは里奈の後ろを歩いた。


里奈に連れられてきたのは3階の渡り廊下だった。


3階建ての校舎の最上階の渡り廊下は天井がなく
吹き抜ける風が少し冷たくて気持ちがいい。






「…浅井さんと別れたの?」


唐突に聞かれ

みのりが驚きを隠せずに里奈を見た。


里奈の穏やかで真剣な顔を見て…


みのりが頷く。



「…2週間くらい前に。


ごめんね…

気持ちの整理がつかなくて…

言えなくて…」


里奈から視線を逸らしたみのりの目が少し潤んでいた。


瞼が熱くなるのを感じて…

「まだダメなんだ…」と実感する。



「ううん。

いいよ、気にしないで。

でもつらかったりしたら話して?


話なんてまとまってなくてもいいし、泣いてもいいんだからさ。

友達なんだし何も話してもらえないんじゃ寂しいじゃん」


そう言って笑った里奈の顔に…


涙がこぼれた。


「ありがとぉ…」



涙を流すみのりを見て里奈が笑う。


「さっそく泣いてるし(笑)」


元気よく笑いかける里奈にみのりも泣きながら笑顔を返した。




渡り廊下からは中庭が見えて

花壇を茂らせる丈の高い雑草が風で揺れている。



冷たい風が吹き、


みのりの涙を飛ばしていった。









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