就職試験は午前中行われた。
予想してた質問もされたが…
『父親の年齢は?』
『スポーツ観戦は好きですか?』
など予期していない質問も結構あった。
…42歳って答えたけど…
お父さんいくつなんだろ…
提出した履歴書に書いてあるんだからあんな意地悪な質問しなくたっていいのに…
みのりが試験管の顔を思い浮かべて顔を歪めた。
試験結果は2週間後に学校に郵送される。
2週間後…
浅井さんの誕生日パーティーまでには結果が分かるのか…
受かんないと浅井さんの誕生日お祝いしてる場合じゃなくなるな…
まだ緊張が残っているのを感じながら
みのりは試験を受けた会社の前で母親の迎えを待った。
「あ、みのりっ
どうだった?試験」
午後から学校へ行くと
教室前で里奈に話しかけられた。
「なんかお父さんの歳とか聞かれた(笑)」
「は?
…普通にわかんないし(笑)
でもこれでやっと解放されるね〜」
「受かればね」
短大の推薦に合格して
気楽そうな里奈に言いながら教室に入った。
先月から始まった試験ラッシュで合格が決まった子も多く
教室の中はなんだか緊張感がなく緩んだ空気が流れている。
「なんか気が抜けた…」
「半年後には卒業なんて信じられないよね…」
みのりの隣の席に座りながら里奈がキラキラした顔で話を切り出してきた。
「そういえばね、あたし来月から教習所通うんだ〜。
みのりと同じとこ!」
「へ?」
里奈の発言にみのりが目を丸くする。
「浅井さん見るの楽しみだなぁ」
ニヤニヤしながら小声で言った里奈に
みのりは驚きを隠せなかった。
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