肩のあたりが…
というよりは全身が痛くて目が覚めた。
「いってぇ…」
目を開けると白いカーテンが風で揺れている。
見たことのない風景…
…どこだ?
上半身を起こすと
体に痛みが走った。
かすかに消毒液の匂いがして
周りを見渡し、ここが病院だということを認識した。
…あぁ
オレ、事故に巻き込まれたんだっけ…
思い出した瞬間
背中を冷たいものが走った。
すごい勢いで前の車がぶつけられて…
気付いたらもうバイクから振り落とされてた…
「…よく生きてたな(笑)」
ポツリと独り言を言って
両手を眺める。
「遼兄っ!」
病室の入り口で声がして
浅井が視線を向けると…
半分泣いているような顔で悟が立っていた。
「…おまえ泣いてんの(笑)?」
浅井が笑うと悟は手に持っていたコンビニ袋を落として
浅井のベットに飛び込んできた。
「おまっ…いてぇよ!」
「遼兄〜…
心配したんだからなぁ!
父ちゃんから電話がきて…
病院きても意識戻ってないし…
…あ、先生呼ばなくちゃ。
ちょっと待ってて」
半ベソのまま病室をでる悟を見て浅井が呆れたように笑った。
.