「はい、おごり〜」


放課後の誰もいなくなった教室、

窓際の席に座る祐にみのりがパックジュースを渡す。


「ありがと」


みのりは祐の前の席に座り窓に体を向けた。



「暑いのに頑張ってるね」


静かな教室に野球部やサッカー部のかけ声が届く。


「ね。

体育以外で運動なんかしたくないけど」


祐の言葉にみのりは小さく笑った。




そんなみのりを見て
祐が微笑みながら口を開く。



「何があったの?」


祐の言葉に

みのりの顔からはだんだんと笑顔が消えて…





そして

窓の外を見つめたまま…




重い口を開いた。


















「…会ったんだ」


月曜日の出来事を話すと
祐がぽつんともらした。




「うん…」


みのりも祐も

静かにグランドを見つめていた。











しばらくの沈黙の後…






「何やってるの?」






グランドを見つめたまま言った祐の言葉が


みのりの心に突き刺さる。








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