家に帰って準備をしていると、インターホンが鳴った。

「あっ、はいはい!」

わたしは玄関に向かった。

扉を開けると、

「こんにちは、おねーさん。お招きありがと」

ニコッと天使の笑顔で、男の子が立っていた。

「あっ、うん。いらっしゃい。どうぞ、あがって」

赤くなる顔を手で押さえながら、わたしは平常心を心掛けた。

テーブルにセットされたお菓子を見て、男の子は目を輝かせた。

「すっごいね! コレ、全部おねーさんが?」

「もちろん! 特にご注文のケーキは、頑張りました」

テーブルの上には、立派にデコレーションされたチョコレートケーキがある。