ロン毛くんの耳元に顔を近づけ、
フゥっとゆっくり息を吹きかけ、耳朶を痛くない程度に噛んでみた。
「うわぁっ!!! 何だっ?!」
ロン毛くんは、耳朶を触りながら、飛び起きた。
私の経験上、だいたいの男性がこれで起きたから、今回も成功。
「やっと起きたわねぇ~ 朝食できてるから食べてね~ロン毛くん」
キョトンとしてるロン毛くんを、市居くんが促し、
2人ともテーブルの席に着いた。
トーストに、スクランブルエッグ、サラダと簡単な朝食だったせいか、皆すぐに完食した。
彼女が学校へ行くまえに、家に戻るというので、
シワにならないようにハンガーにかけておいたワンピースを渡し、
私の部屋で着替えてもらった。

