「そんなことより、朝食作るの手伝ってくれなーい? 4人分だからー」 「あ、はい」 キッチンに入って来た市居くんは、 冷蔵庫から出しておいた、野菜類を流しで洗う。 「ねぇ、彼女と付き合ってるワケじゃないの?」 卵をボールに割りながら、市居くんに話しかけた。 「え?」 野菜を洗う手を止め、横にいる私の顔を見た。 「さっき、私に言ったのよ」 「何をですか?」 水道の蛇口を止め、野菜をザルにあげながら、少し、怪訝な顔をした。