俺とカナタが、最初の客を迎えるため、
ビル入り口で待っていた。


すると、


若い女がこちらに近づいてくる。



スラッとした、太くも細くもない均整の取れた足に豹柄のパンプス、



黒のシフォンミニワンピース、



視線を次第に上に持っていき、開いた襟元の右鎖骨にホクロ…



あれ?



右鎖骨のホクロ?・・・



「・・・っ「いらっしゃいませ、ようこそ、マーメイドへ」!!」



カナタが右手を胸にあて、そして、その女に差し出す。



と、同時に、俺はその女の顔をみて固まった・・・



「ゆ、由梨っ!!」



目元がつけまつ毛バッチリで、



いつもよりラメがふんだんのアイカラー、



リップは、赤のグロスが艶々して・・・・



いつも大学で見る彼女とぜんぜん違っていた・・・



ファッションも由梨には大人っぽくて・・・



だから一瞬わからなかった・・・