俺たち以外の掃除当番のホストが次第にやってきて、
瞬く間に、店がキレイになり、準備が整う。
他のホストの面々も出勤してくる。
ここのホストの皆は、
カッコは、派手だったりするのが多いケド、
皆、マジメに与えられたことはこなすし、お客へのフォローも万全。
だから、こんな小さな店(おじさんに失礼だが)でも、
リピーターが多く、気に入ってくれた客がまた違う客を連れてきてくれる。
ありがたいことだし、働く俺たちも嬉しい。
俺とカナタも更衣室に行き、スーツに着替え、髪をセットする。
カナタはロン毛の為、あーでもないこーでもないと時間がかかってるようだ。
俺はムースをつけて、ササッと整えるだけなので、
カナタを待ちながら携帯を触っていた。
「わりィ、お待たせ」
お客を迎えるため、
入り口まで階段を登る。
店が地下だから、
来たお客の手を取り、一緒に階段を降りるのが、この店のきまり。
21:00までは、店のホストメンバーが順に交代する。
№1だろーが下っぱだろーが関係なく行うのがルール。

