俺と彼女は、隼人の車の後部座席に乗り込んだ。 隼人が、彼女に職場の場所を聞く。 「SNビルってわかる?」 「えぇ、わかります。ここからだと30分くらいですね」 「悪いわね、よろしくお願いします」 そう言うと、彼女は、座席に深く座り、目を閉じた。 まだ、辛そうなのか、 彼女は、俺の肩にもたれかかってきた。 「ごめん、着くまで、肩借りるね。」 「はい」 静かな車内に、FMの音楽だけが、流れた。