「お、おい、由梨っ? 」
俺の声に耳も貸さず、スタスタと去って行った。
「なんだ?あいつー」
すると、隼人が、ニヤリとしながら
「お前、鈍いなぁ~、由梨がお前に気があるの気付けよなっ」
俺のおでこを思い切り、人差指で突いた。
「っっって、なんだよっ そんなのあるわけないだろー」
「ほんっとっに鈍いよ、お前ぇ」
隼人は、半ば諦め顔で、言った。
「女遊びばっかしてるお前に言われたかないぜっ」
隼人は、1年の時から、何人付き合う女が変わったか・・・
本人は、来るモノ拒まず、去るモノ追わず。
なんて、言ってるから世話がない。
確かに、背も高いし、銀縁の眼鏡をかけ、ちょっとインテリっぽいけど、
女の子に対する姿勢は、スマートなとこが惹きつけるのかもしれない。