コンコン


ドアが開き、


鏡越しに
珠樹が入ってくるのが見えた


光沢のある黒のタキシード、
中のベストは
薄いピンクと赤の薔薇の刺繍がアシンメトリーにしてあって目を引く


やっぱり、
珠樹の
こうゆう姿、
凄く似合う・・・


「実、何、ぼーっと見てんの?
惚れ直した?」

鏡越しに私の顔を見る


「え?、べ、別にっ・・・」


少し火照った頬を
手で隠した


ドレスの裾を踏まないように掻き分け、
珠樹が、私の傍に寄る。


すると、

開いた鎖骨と首筋に
キスを落とす


「ちょっ珠・・樹・・・、跡、つけないで・・・ね」

あぁ、といいながら、
だんだんと、唇へと移動してくるのがわかる


「ちょ、珠・・樹っ・・・」


珠樹の腕を掴んで
言った時には
遅かった


「・・・んっ・・・っあんっ・・・」


せっかくキレイに塗ってもらった口紅が台無し・・・


「・・・んんっ・・・ふっぁ・・・」


珠樹、もうダメよ・・・


いい加減、怒るわよ・・・


「・・・・っはぁっ・・・」


私だけ、息切れなんて、悔しい・・・


「充電完了・・・」


ニヤリと
私の顔を見る