「市居くんっ!
お姉ちゃんが、目を覚ましたわっ」
梓さんが、
小走りで俺たちを呼びに来た。
急いで病室まで行き、
中へ入った。
ベッドに寝ている実
中に入った俺と
視線が合い、
目が大きく開くと、
すぐに、頬が緩み、
睫毛が
濡れ始めた。
「珠・・・樹・・・」
ゆっくりと
実の傍に近づき、
枕元の実の顔の近くまで
目線を合わせる。
「実・・・
会いたかったよ・・・実・・・」
身体を起こそうと
動こうとしたので、
「無理、するなよ・・・」
首を振り、
それでも起きようとするので、
手助けして、
上半身をゆっくり起こした
俺も、
実の傍に椅子を寄せ
座った。

