「梓から、
全て聞いたなら、
俺たちのこと、
憎いだろ?許せないよな?」
膝の上で重ねた両手に視線を置き、
英樹さんが尋ねる。
「・・・・そう・・・ですね・・・
実の気持ちを考えると、
許せない・・・ですね・・・
でも・・・・」
英樹さんの視線が、
少し動く。
「でも、
あのまま英樹さんが、
実と一緒に過ごさなくて良かったと思います
英樹さんと実が、
別れたから、
俺と実は、出会えた。
愛し合うことができた。
たくさん傷ついた分、
この先ずっと
俺が、実を幸せにします。
実が笑顔でいられるように、
ずっと
実を愛しますから」
顔を上げた英樹さんに
俺は、
真剣な瞳で伝えた
「市居くん・・・
・・・実を・・・
よろしくお願いします」
立ちあがり
俺に向かって
深く
頭を下げた。

