休憩所から見える
エレベーターから
一人の男性とその手に引かれた小さな男の子が
降りて、傍に近づいてきた。
「英樹・・・」
あ、コイツか・・・・
「英樹・・・
彼、
お姉ちゃんの大事な人・・・」
俺は
立ちあがり、
「市居珠樹です」
軽くお辞儀をした。
「はじめまして
坂上英樹です。」
ゆっくりと静かに
俺に頭を下げた。
「今、
彼に、お姉ちゃんと私たちのこと、
全部、伝えたから・・・」
「そうか・・・」
静かに頷き、
「梓、将(ショウ)を頼む、
市居くんと、少し話すから・・・」
「うん、」
そして、
俺の隣に、
英樹さんが座った。

